文字板に関しては選択肢が多かったが、ホワイトベー
スの2トーン文字板に決めた。2004年に日本の百
貨店向けに限定生産されたモデルの文字板だそうた。
ほぼ同じ文字板で別の記念モデルもあるそうである。
インデックスとΩマークがアップライドになっている
こともあり、レギュラーモデルに比べてドレッシーで
上品な仕上がりの文字板である。

この文字板用の針セットはシルバー色で、ホワイトの
文字板(実際にはシルバーに近い)の上では視認性が
低い。そこで、ファースト・レプリカ用の時/分針と
レジスター針を装着することにした。同じシルバーで
も目立つ形状で視認性を上げるのが目的だ。センター
のクロノグラフ秒針には、ムーンフェイズ用のブルー
メッキ(ブルースティールではない)針を選び、色で
目立つようにした。
針の取外し/取付けは、クロノグラフの分解/組立作業
の中で最も難しく、気の抜けない作業である。特にク
ロノグラフ針の帰零位置にずれがなく、確実に装着す
るのが難しい。1本の修理に長時間を割くことができ
ないサービスセンターの修理では
、クロノグラフ針の
ずれにある程度の許容範囲を設けているようだが、こ
ちらは作業効率など気にする必要がないので、たっぷ
りと時間をかけて真中心に取付けた。




















クロノグラフ針の帰零位置と共に拘ったのが、セ
ンターのクロノグラフ秒針のカーブである。目的
は針の先端を文字板に近くし、視線の角度による
読み取り誤差を低減するためである。ビンテージ
・クロノグラフではよく見られる手法だが、
現行
品では殆んど見ることが出来ない。手間がかかる
ことと、針擦れによる不良品発生を避けるためで
あろう。
秒針との擦れを避けるために分針にもカーブを付
けた。カーブを付ける手法はどこかで見かけたグ
ランドセイコーの針の加工方法を参考にした。

クロノグラフ針の取付けの際に必要なのが右の針付け
台で、これはオメガ純正工具であるが、工具メーカー
銘のものもある。プッシュボタンを操作し動作確認し
ながら針付けを出来る優れ物だが、底の部分に高さが
ネジ調節可能なスティール製ポストがある。クロノグ
ラフの針はとても強く押し付けるため、受けが曲がっ
たり石が下がってしまう危険性がある。このポストの
高さを調整し、クロノグラフ受の石に密着させること
によりそれら防ぐ構造だ。
専用針付け台がないとクロノグラフ針を安心して取付
けすることは不可能である。






















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