OT 2652 1953年製
1952年、オメガ社はセンテナリーに代わるフラッ
グシップモデルを発表した。コンステレーションの誕
生である。
しかし、この新モデルをアメリカ国内で販売する上で
ある問題に直面した。当時、アメリカ国内でコンステ
レーションという名は他社が商標登録していたのであ
る。そこでノーマン・M・モリス社(OMEGA U.S.A.)が
採った手段は、Globemaster Chronometerという自社
登録している商標で販売し、現物にはモデル名を入れ
ないという方法であった。雑誌広告にもこのモデル名
が使用された。このGlobemaster Chronometer時代は
約2年間、初期のCal. 354搭載モデルまでである。
このモデルは文字盤以外は通常のコンステレーショ
ンなので、裏蓋には天文台の刻印が入っている。
天文台の描写がとても細かいのは、初期の金無垢
コンステレーションの特徴である。























謎な部分が多いCal. 352搭載のコンステレーション
であるが、当時の主要輸出先がアメリカであり、そ
の販売立ち上がりにモデル名を入れなかったことと、
コステレーションの本格的な販売がCal. 354が採用
された1950年代中頃であったとが「初期型コン
ステレーションの謎」を生んだ原因ではないかと思
う。ともあれ、Cal. 352搭載のコンステレーション
は確実に存在し、稀にではあるがアンティークウォ
ッチ市場で見かけることがある。



Back

Annex Top